どうして家を手放す人が多いの!?
◆ゆとりローンは、日本版サブプライム問題か!?
『ゆとりローン』とは、バブル崩壊の平成4年ごろから開始された新しい仕組みの住宅ローンです。
この仕組みを簡単に言うと、最初の5年間は超低金利による返済でおさえ、その後は金利が徐々に高くなるというものです。当時は『夢のマイホームローン』として脚光を浴びましたが、実はこのローンには大きな欠陥があり、平成12年に廃止されました。
なぜなら、その5年後には世の中の景気が良くなり、給料が右肩上がりに上昇しているだろうという大前提の下に進められた国の政策だったからです。
1980年代までであれば、日本では年功序列や終身雇用制が定着していましたので、会社に長く勤めればほとんどの人は勤続年数とともに給料が上がっていくのが日本の常識でした。ところが、バブル崩壊後の長い不景気の時代を迎えると倒産する会社も増え、日本の会社も余裕がなくなってしまいました。そのため、これまでの年功序列・終身雇用制度から能力主義に移行する会社が増え、人によっては給料カット、あるいはリストラをされてしまう人も出てきました。その意味で「ゆとりローン」はかえって生活に余裕のない人たちを更に苦しめる結果となってしまいました。
見事に国の予測が外れたのは、歴史が証明するとおりです。
現在、このゆとりローンを利用した人の住宅ローン破綻が増えてきています。この破綻は今後ますます増える可能性があるでしょう。これから『ゆとり』のツケが回ってくるのです。
◆数字で見る住宅ローン破綻
別紙参照。
◆まだまだ増え続ける住宅ローン破綻!?
ゆとりローンの再来?フラット35S
現在、政府の経済対策の一環として行われている住宅支援機構のフラット35S。
これは省エネ性などに優れた住宅を購入した場合の住宅ローンの金利を引き下げることができるというものです。
それも年1%を10年間も受けられるのです。
このフラット35Sの申請が大幅に伸びているといいます。2010年度第2四半期の申請が前年対比5倍というから驚きです。
政府の経済対策として、住宅ローンへの融資が行われることで経済が活性化することは良いことでしょう。
しかし、この先には、住宅ローン破綻者が増えることを意味するのです。